ご家族が病院で亡くなられた直後は、深い悲しみの中で、短い時間に多くの判断を求められることになります。
「病院にはどのくらいの時間いられるのか」
「葬儀社にはいつ連絡すればよいのか」
「自宅に連れて帰るのか、安置施設に預けるのか」
「退院手続きと搬送の手配は、何が違うのか」
こうした疑問は、初めて葬儀を経験する方ほど戸惑いやすい部分です。
病院で亡くなった場合、一般的には、医師による死亡確認、死亡診断書の発行、看護師などによる処置、搬送先の決定、葬儀社への連絡、ご遺体の搬送、安置、そしてその後の葬儀打ち合わせ、という流れで進みます。
大切なのは、亡くなった直後に葬儀の内容まですべて決めようとしないことです。
まず必要になるのは、死亡診断書を受け取ること、搬送先を決めること、搬送を依頼することです。葬儀の日程、式場、祭壇、会食、返礼品などの細かな内容は、安置後に落ち着いて打ち合わせることができます。
この記事では、病院で亡くなった後の流れを、
● 病室での時間
● 退院手続きと死亡診断書
● 搬送先の決め方
● 葬儀社への連絡
● 安置後に考えること
という順番で整理します。
「今すぐ決めること」と「後で考えればよいこと」を分けながら、実際に動きやすい形で確認していきましょう。
まず全体の流れを把握しておく
病院で亡くなった後は、気持ちの整理がつかないまま、現実的な手続きが始まります。
そのため、最初に全体の流れを知っておくだけでも、少し落ち着いて対応しやすくなります。
一般的な流れは、次のようになります。
段階 |
主に行うこと |
1 |
医師による死亡確認 |
2 |
死亡診断書の発行 |
3 |
看護師などによる処置、霊安室への移動 |
4 |
搬送先を決める |
5 |
葬儀社へ連絡し、お迎えを依頼する |
6 |
病院から搬送する |
7 |
自宅または安置施設で安置する |
8 |
親族連絡、菩提寺連絡、葬儀打ち合わせへ進む |
この流れを見ると分かるように、病院で亡くなった直後に最も大切なのは、葬儀の細かな内容を決めることではありません。
まずは、故人様をどこへお連れするのか、どこで安置するのかを決めることが最優先になります。
葬儀の形式や費用、参列人数、式場などは、安置後に改めて相談できます。病院での最初の段階では、「搬送して安置するまで」を一つの区切りとして考えると、判断しやすくなります。
病院で亡くなった直後に行われること
病院で亡くなった場合、まず医師が死亡確認を行います。
その後、死亡診断書が作成され、看護師などによって、点滴や医療器具の取り外し、体を整える処置などが行われるのが一般的です。
病院によっては、その後に病室から霊安室へ移動する流れになります。
この時間は、ご家族にとって故人様と過ごす大切な時間でもあります。
一方で、病院はご遺体を長時間そのまま安置しておく場所ではないため、一定の時間が経つと、搬送先や葬儀社の手配について確認されることが多くなります。
つまり、病院で亡くなった直後は、悲しみの時間と実務の時間が同時に始まる場面です。
気持ちが追いつかないのは当然ですが、まずは病院側の説明を聞き、死亡診断書、退院手続き、搬送先について一つずつ確認していくことが大切です。
死亡診断書は必ず受け取る
病院で亡くなった後の手続きで、特に重要な書類が死亡診断書です。
死亡届の提出や火葬許可申請など、その後の行政手続きは死亡診断書をもとに進みます。そのため、病院から発行される死亡診断書は、搬送や葬儀準備と同じくらい大切なものです。
この段階で確認しておきたいのは、次の2点です。
● 死亡診断書を受け取ったか
● 家族の中で誰が保管するか
慌ただしい中で、誰が持っているのか分からなくなってしまうと、その後の手続きが進めにくくなります。
葬儀社が役所手続きについて案内したり、代行したりする場合でも、死亡診断書が出発点になります。受け取ったら、すぐに家族内で保管者を決めておくと安心です。
退院手続きとは何か
病院で亡くなった場合、実務上は「退院」という扱いになります。
死亡診断書を受け取ったあと、病院側で退院に関する手続きが進められます。入院費の精算については、その場で支払う場合もあれば、後日精算になる場合もあります。病院によって流れが異なるため、支払い方法や精算時期は確認しておくとよいでしょう。
ここで注意したいのは、退院手続きと搬送手配は別のものだということです。
病院側で退院手続きが進んでも、自動的に搬送先が決まるわけではありません。
また、病院が葬儀社をすべて手配してくれるわけでもありません。
退院の手続きと並行して、ご家族側で「どこへ搬送するか」「どの葬儀社に迎えを依頼するか」を決める必要があります。
この点を混同しないことが、病院で亡くなった後の最初の実務ではとても重要です。
まず決めるべきは「搬送先」
病院で亡くなった直後、ご家族が最初に実質的に決めることは搬送先です。
搬送先としては、主に次のような選択肢があります。
● 自宅
● 葬儀社の安置施設
● 斎場や民間の安置施設
どこへ安置するかによって、その後の面会のしやすさ、ご家族の負担、費用、葬儀までの過ごし方が変わります。
自宅安置には、故人様を住み慣れた場所へ帰してあげられるという良さがあります。
ご家族がそばで過ごしやすく、親族も訪問しやすい場合があります。
一方で、集合住宅で搬入が難しい、部屋の準備ができない、近隣への配慮が必要、ドライアイスや管理が不安、という場合は、安置施設を利用した方が現実的なこともあります。
病院を出る前に、まずは「自宅へ帰すのか」「施設に預けるのか」を決めると、その後の流れが整理しやすくなります。
葬儀社へ連絡するタイミング
葬儀社へ連絡するのは、搬送先をある程度考えた段階で問題ありません。
一般的には、退院手続きと並行して葬儀社へ連絡し、ご遺体搬送車のお迎えを依頼します。病院での安置時間は長く取れないことが多いため、搬送先の方向性が決まったら、できるだけ早めに連絡する必要があります。
ここで大切なのは、病院から紹介された葬儀社に必ず依頼しなければならないわけではないという点です。
ご家族で相談したい葬儀社がある場合は、その会社へ直接連絡して問題ありません。
すでに依頼先を決めている場合は、病院側や病院に出入りしている業者に対して、「依頼する葬儀社は決まっています」とはっきり伝えると、余分な手配や行き違いを防ぎやすくなります。
さいたま葬儀サポートへご相談いただく場合も、まずは「病院名」「現在の状況」「搬送先の希望」をお伝えいただければ、必要な流れをご案内いたします。
葬儀社へ電話するときに伝えること
葬儀社へ最初に電話するとき、葬儀の内容が決まっていなくても問題ありません。
最初の連絡で必要なのは、主に搬送と安置に関する情報です。
伝える内容は、次のような項目です。
● 故人様のお名前
● 亡くなられた場所、病院名
● 現在いる場所、病室または霊安室
● 搬送先の希望
● 連絡者の名前と電話番号
● 病院から搬送を急ぐよう言われているか
この段階で、葬儀の日程、式場、人数、宗教者の有無などをすべて決めておく必要はありません。
最初の電話は、あくまで「病院からお迎えに来てほしい」「どこへ安置すればよいか相談したい」という連絡です。
細かな葬儀内容は、安置後に落ち着いて打ち合わせるのが一般的です。
そのため、まずは今分かっていることだけを伝えれば大丈夫です。
搬送は自家用車でもできるのか
法律上、自家用車でご遺体を搬送すること自体が、直ちに禁止されているわけではないと説明されることがあります。
ただし、実務上は、ご遺体の搬送には専門的な知識や準備が必要です。
搬送中の姿勢、冷却、衛生面、到着後の安置、病院側とのやり取りなどを考えると、葬儀社や専門業者へ依頼するのが一般的で安全です。
つまり、「できるかどうか」と「現実的におすすめできるか」は別の話です。
病院で亡くなった直後は、ご家族も大きく動揺していることが多く、無理に自家用車で搬送しようとすると、精神的にも身体的にも負担が大きくなります。
搬送は専門業者へ任せ、その間に家族や親族への連絡、安置場所の準備、必要書類の確認を進めた方が、全体として落ち着いて対応しやすくなります。
病院ではいつまでいられるのか
病院でご遺体を安置できる時間は、長く取れないことが多いです。
実際には病院の状況や時間帯によって異なりますが、亡くなった後は比較的早い段階で搬送先を決める必要があります。病室に長時間とどまれるとは限らず、霊安室へ移動した後も、早めに葬儀社へ連絡するよう案内されることがあります。
そのため、「葬儀社をまだ決めていないので、しばらく病院で待ってもらう」という考え方は、通りにくい場合があります。
ご家族としては、病院にいられる時間には限りがあるという前提で、まず搬送と安置を優先し、その後に葬儀内容を考える順番を意識した方が動きやすくなります。
安置したあとに考えること
ご遺体を自宅や安置施設へお連れし、安置ができると、ようやく少し落ち着いて次の段階へ進みやすくなります。
ここから先は、親族への連絡、菩提寺への相談、葬儀日程、火葬場、葬儀形式、会食、返礼品などを決めていく流れになります。
病院で亡くなった直後の中心が「安置まで」だとすれば、安置後は「葬儀の組み立て」に入る段階です。
このときも、すべてを一気に決める必要はありません。
まずは、次のような点を整理していくと、葬儀社との打ち合わせがしやすくなります。
● どこまで親族へ知らせるか
● 菩提寺や付き合いのある寺院はあるか
● 家族葬にするか、一般葬にするか
● 参列人数はどのくらいになりそうか
● 火葬式、一日葬、家族葬などの希望はあるか
● 費用面で大まかな希望はあるか
安置後は、病院にいるときよりも時間と場所に余裕が生まれます。
そのため、葬儀内容については、安置が済んでから具体的に考え始めるという流れで十分です。
親族や会社への連絡はいつするか
親族への第一報は、亡くなったことが確認された段階で、近い家族や親族へ伝えるのが一般的です。
ただし、この段階では、通夜や葬儀の日程、式場、火葬時間などはまだ決まっていないことが多いです。そのため、最初の連絡では、亡くなった事実と、詳細は決まり次第あらためて連絡することを伝えれば十分です。
たとえば、次のような伝え方で問題ありません。
「本日、父が〇〇病院で亡くなりました。現在、搬送と安置の準備をしています。葬儀の日程や場所はまだ決まっていないため、決まり次第あらためてご連絡します。」
会社への連絡も同様です。
まずは近親者が亡くなったこと、これから葬儀準備に入るため休みの相談をしたいことを伝えれば足ります。
この段階で重要なのは、すべての情報をそろえることではありません。
必要な人へ、必要な順番で、今分かっていることを伝えることです。
病院で亡くなった後にやりがちな失敗
1. 葬儀内容までその場で決めようとする
病院で亡くなった直後は、まず搬送と安置が最優先です。
祭壇、会食、返礼品、参列人数などをその場で一気に決めようとすると、かえって混乱しやすくなります。葬儀の詳しい内容は、安置後に落ち着いて相談できます。
2. 搬送先を決めないまま時間が過ぎる
病院では長時間安置できないことが多いため、搬送先の判断を後回しにしすぎると、慌ただしい対応になってしまうことがあります。
まずは、自宅へ帰すのか、安置施設へ預けるのかを決めることが大切です。
3. 病院紹介の業者へ流れで依頼してしまう
病院から紹介された葬儀社へ依頼すること自体が悪いわけではありません。
ただし、ご家族で相談したい葬儀社がある場合や、すでに依頼先を決めている場合は、その旨を早めに伝えることが大切です。
その場の雰囲気だけで決めてしまうと、後から費用や内容について不安が残る場合があります。
4. 死亡診断書の管理が曖昧になる
死亡診断書は、その後の行政手続きの起点になる重要な書類です。
誰が受け取ったのか、どこに保管しているのかが分からなくなると、役所手続きや火葬許可申請が進めにくくなります。受け取ったら、家族内で保管者を決めておきましょう。
さいたま葬儀サポートとしてお伝えしたいこと
病院で亡くなった直後は、悲しみの時間と実務の時間が同時に始まります。
その中で大切なのは、すべてを完璧に進めることではありません。
順番を間違えないことです。
● まず死亡診断書を受け取る。
● 次に搬送先を決める。
● 葬儀社へ連絡してお迎えを依頼する。
● 安置後に、親族連絡や葬儀内容の打ち合わせへ進む。
この流れが見えているだけでも、ご家族の不安は少し軽くなります。
さいたま葬儀サポートでは、病院で亡くなられた後のご相談についても、「今すぐ決めること」と「後で決めればよいこと」を分けながら、ご家族が無理なく進められるようにご案内しています。
葬儀の内容がまだ決まっていなくても、まずは搬送と安置のご相談だけでも問題ありません。
病院名、現在の状況、搬送先の希望が分かれば、その時点で必要な対応を一つずつ整理できます。
まとめ
病院で亡くなった後の流れは、一般的に、医師による死亡確認、死亡診断書の発行、看護師などによる処置、搬送先の決定、葬儀社への連絡、ご遺体搬送、安置、そして葬儀打ち合わせという順番で進みます。
最初の段階で重要なのは、葬儀内容をすべて決めることではありません。
死亡診断書、搬送、安置の3つを優先することです。
病院では長時間安置できないことが多く、比較的早い段階で搬送先を決める必要があります。搬送先には、自宅、葬儀社の安置施設、斎場や民間の安置施設などがあり、ご家族の状況に応じて選びます。
また、退院手続きと搬送手配は別のものです。
死亡診断書を受け取った後、退院手続きと並行して、葬儀社へ連絡し、お迎えを依頼する流れになります。
病院紹介の葬儀社へ必ず依頼しなければならないわけではありません。
ご家族で相談したい葬儀社がある場合は、その会社へ直接連絡して問題ありません。
安置が済んでから、親族への連絡、菩提寺への相談、葬儀日程、火葬場、葬儀形式、費用などを落ち着いて決めていけば大丈夫です。
病院で亡くなった直後は、まず「どこへお連れするか」を決めることが最も大切な実務です。
搬送や安置について不安がある場合は、早めにさいたま葬儀サポートへご相談ください。ご家族の状況に合わせて、最初に必要な対応を分かりやすくご案内いたします。



